マンションのメリットとしてまず挙げるられるのは、共用部の管理についてです。「エントランスや共用廊下などは管理会社が清掃してくれるので、居住者のわずらわしさは軽くなります。また最近は24時間いつでもゴミを出せる物件が増えているので、暮らしの利便性は高いでしょう」
またマンションは玄関ドアの鍵一つで外出できるといわれるように、防犯上もメリットがあります。エントランスはオートロックになっており、ここでも不審者の侵入をある程度防ぐことが可能です。
「仮に不審者が建物内に入ったとしても、管理員や居住者の目があるので犯罪を未然に防ぐ効果が期待できます」
標準的なマンションの住戸はワンフロアなので室内に階段がなく、一戸建てに比べて小さめの床面積でも狭さを感じにくいという特徴もあります。また室内がフラットなので移動がラクで、高齢者でも暮らしやすいと言えるでしょう。
居住者同士のコミュニティが形成されやすい点もメリットです。特にファミリータイプの新築マンションは同世代の居住者が入居する場合が多いので、子どもを介した交流が活発になる傾向があります。大規模なマンションでは共用施設に居住者が集まって活動するケースも多く見られます。
まず上下左右が他の住戸と隣接しているため、音のトラブルが発生しやすいことが挙げられます。特に古いマンションの中には足音や生活音が響きやすい物件があるようです。ただ、最近の新しいマンションは音対策に配慮しているので、トラブルは少なくなっています。とはいえ、夜遅い時間に大きな音を立てないなど、隣接する住戸への配慮は欠かせません。
メリットのところでコミュニティ形成について述べましたが、逆に隣近所との関係が希薄になるケースも少なくないようです。「同じくらいの年齢の子どもがいる世帯以外だと、他の住戸の人と顔を合わせる機会が少なく、家に居るのかどうかさえ分からない場合もあります」
お金に関してマンションが一戸建てと大きく異なるのは、管理費や修繕積立金を毎月払うことでしょう。金額はマンションによって異なりますが、月額2万円前後以上かかるケースが一般的です。「共用部分の管理は管理会社がしてくれますし、修繕は管理組合が主導してくれますが、必要な費用は毎月払わなければなりません。もちろん資産価値の維持につながるので、メリットでもあるのですが」
このほか一戸建てとは異なり、駐車場を利用するのにお金がかかるのが通常です。マンションによっては立体駐車場を設置しているケースがありますが、その維持管理にも費用がかかります。
音をめぐる隣近所とのトラブルが少ない点が挙げられるでしょう。また、マンションのように管理規約で制限されることもありません。「最近の新築マンションは小型犬などのペットを飼えるケースがほとんどですが、一戸建てなら犬種や数も自由です。事務所として利用することもできます」
また一戸建ては玄関や窓を開けるとすぐ外ということもあり、隣近所とのかかわりが濃厚になる傾向があります。人間関係がわずらわしいと感じる人もいるかもしれませんが、災害などいざというときに助け合える関係が築けることはメリットでしょう。
マンションのような管理費や修繕積立金がないので、月々の支払いという点では負担が軽いと言えます。
月々の支払いという点では、駐車場代がかからないことも挙げられます。一戸建ての場合は建売住宅でも敷地内に駐車スペースが確保されている場合が一般的です。駐車場代が不要なうえ、玄関を出てすぐに車に乗り込める点は大きなメリットでしょう。
その他、敷地内であれば趣味や趣向に応じた家族行事や装飾が自由に行えるので家族間のコミュニケーションが取りやすく、最近では屋外でのランチやバーベキューなども人気があり、クリスマスの電飾装飾なども楽しめるライフスタイルの自由度の高さも魅力です。
建物の維持管理を自分の裁量でできることはメリットと言えますが、油断して放置しておくと建物が傷んでしまう点はデメリットでもあります。「マンションは共用部分の計画的な修繕を行うため資産価値が守られやすいのですが、一戸建ては自分の責任で建物を維持管理しなければなりません。お金をかければ建物の傷みが少ない状態が長持ちしますが、お金をかけなければ傷みが進むでしょう。月々の管理費や修繕積立金の支払いがないからと放置しておくと、いざ建物を修繕しようと思うときに一時的な費用が割高になることもあり得ます」
防犯上の安心感という点では、マンションに比べて一戸建てはやや脆弱と言えそうです。外出するときは玄関だけでなく、主要な窓もすべて施錠しなければなりません。人の出入りを見張ってくれる管理員も一戸建てにはいないのです。
また2階建て以上であれば階段があるので、その分は有効面積が小さくなり、高齢になると生活範囲が制約されることもあります。洗濯機置き場と物干しのフロアが分かれている場合など、階段の上り下りで家事の効率が下がる場合もあるでしょう。
大規模マンションのようなキッズルームやパーティールームといった共用施設がない点もデメリットと言えるかもしれません。とはいえ、近くに公園や公共施設があれば、周辺住民との交流もしやすくなるでしょう。
つまり、マンションは築年数とともに資産価値が下がりますが、下がり方は緩やかです。何年後まで価値があるかは維持管理の状態などにもよりますが、築50年前後でも中古市場で売買されている物件もあります。
一方、一戸建ては建物の価値が早く下がるので当初の資産価値の目減りはマンションより大き目ですが、建物の価値がゼロになった後も土地の価値は変わらずに残ります。そのため、建物の価値がゼロになってから数年後にはマンションと一戸建ての資産価値が逆転すると考えられるのです。(逆に土地が高騰し資産価値が向上する場合もあります。)
では一戸建ての建物の価値が何年ぐらいでゼロになるかというと、金融機関などの積算法では、築25年前後が一般的ということです。ですが、「最近は一戸建ても建物の維持管理やリフォームの状態を中古価格の査定時に反映させる傾向が出てきているので、状態の良い建物だと築30年以上でも価値を評価されるケースが多くあります」(同)。とはいえ、マンションに比べて一戸建ては建物の資産価値が早く減る傾向にあることは確かなようです。
しかし、マンションの場合は土地の部分が共用持ち分になるので純粋な個人資産とも言えない空虚さがあります。やはり、土地建物は大切な資産ですから目減りや共有持ち分でない一軒家の土地の部分は大きな意味があると考えられます。
著名なファイナンシャルプランナーの意見の中にも、鉄筋コンクリートのマンションは、鉄筋コンクリートの寿命が約50年で、その時期には修繕では無く建て替えが想定されますが、共有持ち分が故に、建て替えの総意が得られなかったり、建て替えの費用が高額負担になり、コンクリートの寿命を終える50年強でマンションの実質的な資産価値はかなり下がると言う方もいらっしゃいます。
それに比べて、土地を所有権として個人保有する一軒家の場合は将来においても、土地の価値のみで売却できたり、木造がゆえのメリットで建て替えが安易に出来るので古家を解体して新しく新築を建て直す洗濯も個人で自由に決めれますので、やはり住居不動産においては、一軒家が有利かもしれません。